ガラスのタンポポ#虹

駅の中、人目もはばからずオレは奏来を抱き締めた。


4人が4人とも傷つく選択。


それを選んでしまう、オレと奏来。


「いいよ、やるよ、全部。春まで、タンポポが咲くまでオレの全部を奏来にやるよ」


“ごめんなさい”


「帰ろう。オレはもう花音のところへは行かないよ。奏来の帰るべき所へ帰ろう」


“翔ちゃん”


「ん?」


“ありがとう”


泣きながら笑う奏来は、みんなの傷を背負う覚悟をした目でオレを見つめる。


けど。


奏来にそんな想いはさせやしないさ。


春まで。


タンポポが咲くまで。


オレが奏来の全てを抱くよ。