ナナカマドの葉がすっかり紅く染まった頃。


オトばあの一回忌で、奏来の家。


誰も親戚は来なくて、おばさんと奏来と兄貴とオレの4人でお経とともに、仏壇に手を合わせた。


住職が帰った後は早めの昼ご飯をとり、オトばあの思い出話を少し。


「あれからもう1年、か」


「あぁ。なんか早いよな」


オトばあが亡くなり、奏来の病気、花音との出会い。


人が1人命を落としても時は止まる事なく、人の心を洗いながら流れる。