ガラスのタンポポ#虹

蓮と別れて駅へ向かうと。


「翔くんっ!」


一瞬、失った奏来の声かと耳を疑った。


けどそんなはずはなくて。


振り向くとそこには、車椅子のない花音が立っていた。


「花音…?」


「ウフフ…♪びっくりさせたかったの!今日、やっと松下先生から許可もらってね、脱車椅子!ねぇ、びっくりしたぁ?」


そう言って笑う花音は、いつからここで立っていたのだろう。


フレアスカートから覗く細く白い足が、少し震えていた。


「ずっとここで待ってたのか?」


「うんっ!」


「バカ、無理すんなよっ。とりあえず、あそこ、店入ろう」


手を引いて歩くと、花音はすぐに転んでしまった。


「エヘヘ。ごめんね、すぐ立てるから、待って?」


なんとか立とうとするが、もう足に入る力がないらしく、オレは花音を抱いた。


「翔くんっ、目立つよっ!あたし、歩けるもん!翔くんと歩きたいんだもんっ!」


「いいからおとなしくしてろ。店入って少し休憩しなきゃ、また歩けなくなるぞ」


嫌がる花音を抱いて、駅前のファーストフード店に入った。