ガラスのタンポポ#虹

オレが知らされたのは、全てが終わってから。


フワフワと真綿のように揺れる長い髪を肩程の長さに切り、痩せた顔で声を発する事なくオレに、


“ありがとう”


と、言った奏来。


その奏来は、オレの手から兄貴の元へと飛んで行った。


まるでそれは。


花を咲かす役目を終えたタンポポが綿毛になり、飛んでいくかのように。