ガラスのタンポポ#虹

「あ、そうだ。せっかく翔くんが来てくれたんだから、勉強みてもらおうかなっ」


花音は車椅子から立ち、少しだけぎこちなく歩くと、テーブルの上にノートと問題集を並べてフローリングの床に座った。


「翔くんと奏来ちゃんの学校、けっこう偏差値高いよね?頑張らなくちゃ!」


教えると言っても、少しのヒントで花音はスラスラと問題を解き、5教科どれもそつなくこなすのを見て、オレ達の高校でも楽に入れるだろうと思うけど。


やっぱり奏来と同じ制服を着せたいからといって、押しつけられる問題じゃ、ない。


「花音、高校ちゃんと選べ、な?」


「翔くん…同じ制服を見るのは、辛い…?」


辛い?


オレ、が?


あぁ…そうなんだ。


奏来を追って奏来にさせて傷ついているのは。


花音だけじゃなく。


オレ自身も?


自分で自分の首を絞めていたんだ…。


奏来に届かないのも苦しい。


奏来を真似させるのも苦しい。


じゃあ。


じゃあ、オレはどうすればいい?


どうすればこの呪縛から解かれるっていうんだ?