「あ…。翔…くん…?」


「花音」


奏来と同じ、肩程の長さに髪を切ってしまった花音。


胸が締め付けられる。


オレが命令してさせた事なのに、傷ついたのは花音なのに、オレも痛みを感じてしまうなんて。


勝手だよ、な。


「…どうしたの?」


「うん。ちょっと」


花音の車椅子を押し、中庭へ連れ出した。


「髪、切っちゃったけど奏来ちゃんみたいに似合わなくて…。ゴメンネ?」


謝るなよ。


ゴメンと言いたいのはオレの方なのに。


花音は何も悪くないのに。


車椅子をロックして花音の前に回り、しゃがんで手を握った。