ガラスのタンポポ#虹

───ピンポーン


花音の家のチャイムを鳴らすと、おばさんが出た。


「あら、翔くん。今日もありがとね、花音、すごく喜んで行ったんだけど、帰って来るなり部屋に閉じこもりっぱなしで。何かあったのかしら?」


「そうですか。夜分遅くに申し訳ないんですが、少しの間、花音、いいですか?」


「待っててね。今、呼んでくるわ」


さほど待たずに花音が姿を出した。


驚き目を丸くする。


「どうしたの?翔くん?」


泣いて真っ赤に腫れた目を、オレは見逃さなかった。


「ちょっといいか?会いたくて来た」


「…あたし、に?」


「うん」


「うんっ!行くっ!」


「じゃあスイマセン、すぐ戻りますから。車椅子はいいです、オレが花音を抱いていきますから」


「じゃあ、翔くん、お願いね?」