ガラスのタンポポ#虹

「そうだ、翔」


「何?兄貴」


「来週の水曜、予定空いてるか?」


「学校あるけどたいした授業でもねーし。何とでもなるけど?」


「じゃあ、奏来、頼めるか?」


そんなオレと兄貴のやりとりを聞いて、奏来は、慌ててメモに走り書きする。


“ソラ、1人でも大丈夫!”


「大事な検診なんだから1人じゃダメだ。翔、車貸すから奏来を病院に連れて行ってほしいんだ」


「OK。奏来、オレの初ドライブだぞ?ビビんなよ?」


奏来は、また声を出さずに笑った。