ガラスのタンポポ#虹

「翔くん?」


「ん?」


「あっち、人少ないから行ってみようよ?」


「うん」


岩だらけで海水浴客の少ない海沿いを歩いた。


「ここなら、ゆっくり話ができるね?」


「話?」


「うん」


車椅子をロックして、オレは花音の隣にしゃがんだ。


「あのね、翔くん」


「ん?」


「翔くんは…誰を見てるの…?」


「オレが?見る…?」


「うん。翔くん、いつもあたしといても、あたしとしゃべってても、あたしを見てないの。目がすごく遠くを見てて、あたしの向こう側を見てる。誰を…見てるの?」


「誰でもないさ」


「奏来、ちゃん…?」


「………」