ガラスのタンポポ#虹

笑う花音の中に、またオレは奏来を探す。


去年、奏来も兄貴に海をねだったっけ。


あの時の輝いた奏来は、まだデジカメの中でオレに甘い日々を思い出させる。


「じゃあ、また明日な。家帰って無理に立とうとするなよ?ケガでもしたら、海も延期だからな?」


「はぁーいっ!」


リハビリセンターを出てバスに乗り、オレは家には帰らず、真っ直ぐ奏来の家のチャイムを押した。


奏来に会いたい。


こらえる事ができなかった。


ゆっくりと玄関のドアが開き、奏来が顔を出す。