夏休み、初日。


オレはちっとも冷房の効かないバスに乗って、リハビリセンターへ。


「じゃあ、明日、ね?」


と、約束してしまった花音のリハビリ。


のらりくらりとごまかして断れば良かったのに、なぜかできなかった。


花音のあの目に見つめられると奏来にねだられているようで、できなかった。


「翔くんっ!」


センターの入り口で花音が車椅子で待っていた。


「暑いだろ?中に入ってれば良かったのに」


「ううんっ。来てくれて、ありがとう。嬉しい♪」


「さ、入ってリハビリ、な?」


「うんっ!頑張る!」


車椅子を押し、リハビリルームに入ると、小さな子供から年配の人まで、様々な訓練に取りかかっていた。