ガラスのタンポポ#虹

「ごめんなさい、押しかけちゃって…」


「あそこでずっと待ってたのか?オレが出てくるまで?」


コクンと頷く花音はまだ真っ赤な顔をして、オレを直視しない。


「待ってたんだけど、翔ちゃんさん来ないし…。知らない人にいっぱい声かけられるし…。トイレに行きたいのに、言えなくて、なかなか…っ…っ…」


とうとう泣き出してしまった。


って。


オレが泣かしたみてーじゃん!


昼時の喫茶店は混み混み、しかも車椅子、注目浴びまくり。


「わかった、わかった。オレが出てくんの遅かったし、悪りぃ」


「ううんっ!あたしが勝手に来ちゃったから…。トイレとか迷惑かけて、ごめんなさい…」


ウェイトレスがいぶかしげにオレと花音の前にアイスコーヒーを置いて、


「ごゆっくりどうぞ」


と、去って行くのを見て、花音はグラスの中の氷をカラン、と鳴らした。


急に喉の渇きを感じたオレも、アイスコーヒーを一気に飲む。


なんとも言えない間。