ガラスのタンポポ#虹

「あっ!アレ、何の人だかりだ…?うぉっ、車椅子の美少女発見!翔、行ってみようぜー」


「興味ねぇし…って、オイ、蓮!」


聞く耳を持たず、蓮はウチの学生5~6人が集まった人垣へ足を向ける。


あ、れ…。


あのコ…。


「あ、翔ちゃんさんっ!」


花音…?


「どうしたんだよ、こんな所で。車椅子で?1人で?」


「なんだよ、翔の知り合い?」


「まぁ、そんなトコ。花音、どうした?」


「あの…!ちょっと…」


言いにくそうに口をつぐんでしまう。


「花音?」


「ちょっと…。耳貸してくれる?」


車椅子に合わせてかがみ、花音の口元へ耳を近づけた。


「…トイレ」


「は?」


「トイレに行きたいの…」


「あ、あぁ!わかった、ちょっと待ってろ。えーっと…蓮、オレの鞄頼む、すぐ戻るからここで待ってろ、いいな?」


「何だよ、どうした?」


「いいから待ってろ。そこ動くなよッ」