ガラスのタンポポ#虹

小雨が上がる。


空の向こう側に少しずつ青が広がる。


少しずつ、少しずつ。


ベンチの陰に綿毛のタンポポを見つけた。


陰に隠れていたので濡れずに綿毛を風にそよがせる。


オレはそれに息を吹きかけた。


綿毛は風に乗り、どこというあてもなく飛んでいく。


「あのブレスレット、奏来に渡したよ」


「うん」


「ありがとう、そう言って奏来は笑った」


「うん」