ガラスのタンポポ#虹

「あの…!」


「ん?オレ…?」


「はい。あの、翔ちゃんさん、また会えます、か…?」


「どうかな。奏来の病院に付き添うのは、いつもおばさんか兄貴だし。多分、これっきり」


苛立ちから、つい、突き放すような言い方をしてしまう。


「アドレス…。ううん、やっぱり、いいです…」


バイバイと奏来と花音は合図し合い、オレと奏来は個室から出た。


奏来がオレの腕を引く。


“なぜ花音ちゃんに冷たくしたの?”


「甘えてんだろ。歩けるのに歩かない、無駄に人生踏みとどまってるヤツをオレは好きになれない、それだけ」


奏来はそれっきり何も言わなかった。


帰りの車内は激しく降り始めた雨音だけが響き、オレは雨に濡れた少女の影を消そうと、アクセルを強めに踏み込んだ。