ガラスのタンポポ#虹

「ねぇ、あたし外に行きたいっ」


「でも、雨降ってるぞ?」


「いいの。雨に濡れたいの。あたし、雨が好き」


「うん、わかったよ。外に出よう」


車椅子ごと、花音を庭へ出した。


静かな霧のような雨が花音の肩を、髪を濡らす。


もろいと表現すべきか。


儚いと表現すべきか。


どちらにせよ、上空から降る雨を両手で操る様は、まるでこの1年の切なく苦しい恋を浄化しているように見えた。


オレもこの雨にまかせて洗い流し、新たな気持ちを作ろう。


花音は今から。


オレの全て。