ガラスのタンポポ#虹

「花音、今日、疲れただろ?」


「あたし…」


「ん?」


「あたし、奏来ちゃんとの約束、守れないかもしれない…」


「どうしたんだよ、急に?」


「あたしがみんなの笑顔を待たなきゃならないのに…。約束した春から、あたしは翔くんの前で泣いてばかり…だよ、ね…」


「ためずに流せばいいさ。堪えないで叫べばいいさ。立ちたい、歩きたい、それが今の花音の気持ちなんだろ?」


「ううん…」


「…?」


「あたし…あたし、もう立てなくてもいいかもしれない…」


「花音…。どうして…?」


「あたしが立てなかったら、翔くんはこんな風にあたしの傍にいてくれるんでしょ?車椅子が使えなきゃ、抱いてくれるんでしょ?だったら…だったら、あたし、こんな足いらないッ!」


「花音…」


「ねぇ、あたしといてくれるでしょ?翔くんは優しいから見捨てたりできないよね?ねぇ?翔くんっ!」