ガラスのタンポポ#虹

「ちょっと待ってろ。探してくる」


「行かないで、翔くんっ!ここに、あたしといて…」


「だって早く追わなきゃ…!」


「いいのっ!あの人、あたしの事なんてとっくに忘れてる…。いいの…。翔くん、離れないで…」


「ここで待ってろ」


花音の言葉を無視して、オレはショッピングモールの中を探し回った。


いくつもあるショップを出たり入ったりして、さっきすれ違った3人を探すが、どこにも見当たらない。


探し出して一言花音に詫びさせなければ。


花音は…。


花音はどうなる?


また立つ事を怖がり、あの白く細い足が固まってしまうんじゃないのか?


そんな事、させるもんか。


やっと自分の足で立ち歩き出せた花音を、二度と。


二度と車椅子の生活に戻すものか。


なのに。


どこを探しても見つからず、オレは手ぶらで花音の元へ戻った。