ガラスのタンポポ#虹

オレはたまらずケータイを取り出した。


TO 奏来


急に名古屋行きを聞いてびっくりしたよ。


元気か?


送信ボタンを押す手を迷っていると。


「翔くん!」


駆け寄ってきたいつもの声。


「花音…」


送信ボタンを押す事なく廃棄されたメール。


なぜかここにいる花音。


「じゃま…だよ、ね。あのね、あたしも一度翔くんと奏来ちゃんの思い出の公園見て…」


「帰れ」


「…え?」


「帰れッ!!」


オレの怒鳴り声にはねる花音の肩。


どうしてもここに入れたくない。


だって、ここは。


オレと奏来の聖域。