ガラスのタンポポ#虹

「花音!翔さん!」


麻穂の明るい声が耳に障る。


早く帰らなければ。


花音に辛く当たってしまいそうで、


「1日遊びきったし、解散な?」


「また4人で遊べるかなぁ?」


「麻穂、花音と翔さんのじゃますんなよ」


「だって、楽しかったでしょ?」


「いいから帰るぞ。じゃ、花音、また月曜、学校でな」


「うんっ!良平くん、麻穂ちゃん、アリガト!」


良平はオレに覚悟を促すような視線を投げ、麻穂と2人で帰って行った。


「じゃあ、オレ達も帰ろうか」


「うん…」


物足りなさそうな花音。


いつだって別れ際はそうだ。


なぜなら。


‘今日も翔くん、笑わなかった、ね?’


花音の声なんてオレにはダダ漏れで。


わかっていながらオレは花音の意志を無視して歩き出す。


3歩後ろを歩く花音、縮まない距離。


これが今のオレと花音の距離。