ガラスのタンポポ#虹

「翔くん?」


「ん?」


「手、握ってもいいです、か…?」


向かいに座った花音に手を伸ばす。


幼さの残る小さな手と絡む指と指。


笑みを作りオレの手を握る花音のときめきがオレには通じない。


まだ何も感じない。


こんな風に時間を重ねて、何が生まれるだろう。


花音が絶えてしまうか。


オレが花音に感情をもらうのか。


良平にもわかる、オレ達に隔たる壁。


それが崩れる日が来るのは、いつだろう。


花音。


早くこの手を放せよ。


観覧車が一回りし、オレ達を地上へ降ろす。


やっと呼吸が楽になった、そんな気がした。