「花音、少し休もう」


「そう?早く並びたいんだけどなぁ…」


「それより、そんなにはしゃいで足、大丈夫か?」


「うん…。ちょっと疲れてるかも。あたし、何か飲み物買ってくるね?」


「いいよ、オレが行く。花音はここに座って、少し足休めろよ」


「はぁーい」


ペットボトルのコーラと紅茶を買ってベンチに戻ると。


花音がいない。


辺りを見回すと、楽しげに話す花音と一組の男女がいた。


「花音!」


「あ、翔くん、こっちー!」


手招きされてカレカノらしき男女の紹介をされた。


「良平くんと同じクラスでね、こっちがカノジョの麻穂ちゃん。偶然会うなんて、ねっ?」


「わぁ♪花音のカレシ、かっこいー☆」


「コラ、麻穂にはオレがいるだろっ」


「ハイハイ。でも年上のカレシって、憧れちゃうなぁ!」


「どうせオレには包容力なんてモノは持ち合わせてねぇよ」