笑う、なんて。


たやすい事だと思っていた。


安っぽく笑い、あの指輪を取り返す、そんな簡単な事ができずにオレはズルズルと花音と時間を過ごしていた。


「翔くん、次、あれ乗ってみようよっ!」


今日は花音と遊園地。


絶叫系ばかりの遊具を選ぶ花音は、オレを笑わせたいからで。


わかってはいるが、オレは花音の気持ちについていけない。