ガラスのタンポポ#虹

「今日、天気いいな?」


“うん”


「奏来、あやとりしようか?」


“うんっ!”


奏来は毛糸を探してきて輪を作ると、手と手を交差させながら二人あやとりをした。


子供の頃、オレ達が近づくためにオトばあが教えてくれた、あやとり。


今は。

その子供の頃からの思い出をほどいていくあやとり。


これでいいんだ。


ほどいて一本の糸に戻して。


そして終わりにしよう。


田んぼ、川、ダイヤ、オレと奏来の指はたやすく次から次へと展開して、最後に東京タワー。


「…終わっちゃったな」


“うん…”


結った毛糸をほどき、一本の糸に戻した。


オレと奏来がほどけた。


もう。


この糸が繋がる事は、ない。


きっと。


この奏来の小さな手がオレに戻ってくる事は、ない。