ガラスのタンポポ#虹

オレはそっとベッドを抜け出し、昨日脱ぎ捨てたままの服に袖を通すと、キッチンへ。


冷蔵庫の中には、卵と牛乳、食パン。


コーヒーメーカーをセットして、材料を合わせ、たっぷりのバターでフレンチトーストを作った。


皿に盛りダイニングテーブルに置くと、部屋から奏来がいつものワンピースを着て出てきた。


「おはよ、奏来」


“おはよう”


「先、顔洗ってこいよ。それからコーヒーいれるから、な?」


“うん”


洗面所で支度を済ませた奏来だけど、肩程の長さの髪が少しだけハネているのが、かわいい。


「奏来、髪がハネてる」


“!”


あわてて鏡の前で直そうとする奏来の手を止めた。


「そのままがいいよ。一晩一緒にいなきゃ見られない奏来だもんな。すごく、かわいい」


恥ずかしそうに俯く奏来の手を引いてダイニングテーブルに座らせた。


「オレ特製フレンチトースト、奏来の好きなブルーベリーのジャムと一緒にどうぞ?」


“ありがとう”