「ジャーン!!見ろよ、奏来(ソラ)。スゲーだろ?」


奏来は声を出さずに笑う。


“翔ちゃん、スゴイねっ!”


奏来の字でいっぱいのメモに、新しく文字が書き足される。


“でも、この写真、翔ちゃんぽくないね?”


「そうなんだよなー。免許の写真て写りが悪いって言うけど、オレのもヒデーな。兄貴のは?」


「あ?俺のはコレ」


差し出された兄貴の免許の写真は、完璧。


ここまでパーフェクトかよ…。


どこをとってもオレは兄貴にはかなわない。


たかが車の免許1つとってもそれは同じ事で、それが歯痒くもあり、安心にも変わるのは、奏来が兄貴の元にいるからで。


オレのかなわない兄貴に奏来を委ねたからで。


だから兄貴のパーフェクトは、オレの安心。