あいつの青春



「……いっ!

おいっ!ヒロっ!」


ばちんっ!


「んぉっ!?
つか―…ぃってぇー…」


翔汰が俺の両頬を
ばちんっと叩いて、ちょっとだけ涙目になってしまった。



「人の話聞いてんのか
コラ

風呂入ってこいって言ってんだろうが!
さっきからボーっとしやがって…」



「いや、麗唖にこの頃
会ってないなぁと思ってね♪」


「会わなくていいよ。
会いたいのか?」


翔汰は意味が分からないと言わんばかりに俺を睨んできた。




「何で?
麗唖可愛いのに♪」


「麗も俺も男だろーが!

麗の事なんざよくしらねーけど…」




翔汰は当たり前だけど
麗唖の時の記憶なんかないし、
麗唖の存在も小四の頃まで知らなかった。