あいつの青春



「………ヒロ。」


「何?麗唖。」


「ヒロ。」


「うん。」


「ヒロっっ―…!!!!!」


「俺はここにいる。」


俺は気付いたら、膝から崩れ落ちた麗唖を抱きしめていた。




「俺は…
翔汰の一部でしかないのか?

俺じゃ翔汰を守りきることなんかできない―…」

「違うよ。麗唖。

今まで翔汰を……

何からか知んないけど守ってきたんだろ?

立派じゃん!
今度は俺が麗唖を守ってやっから安心しろ!」



俺は麗唖の頭をポンポンと叩いた。


「…………お前、

そっから俺に近付かないって言ったのに…」


麗唖が立ち上がった俺を下から見上げながら睨んでいた。