「…で?何の用だよ。」


自分が心の中で言ったことが妙に恥ずかしくなって、話を切り出した。


「ん?あ、そうそう!まったく、お前ってやつは水くせーなぁ。そうならそうと言ってくれよ〜!!」

…は?
こいつ何の話してんの?


「彼女、出来たんだろ♪」

周囲を気にしたのか、小さな声で言ってきた。
いくら小さくても、すごく弾んだ声だ。

そんなに楽しいことか?


「月夜くんにも、やっと春が来ましたかぁ〜。」

腕を組んで、うんうんと頷きながらそう言う翔。

このままにしてたら面倒なことになりそうだな。


一瞬放っておこうかと思ったけど、やめた。