「ねぇ、汰一。」


寮に戻る道中、あたしは汰一に聞いた。


「捻挫ってどのくらいで治るかな。 どのくらい安静にしてればいいかな。」

「1週間は安静にしてろ。 2、3週間で治るんじゃねぇの?」

「そんな…。」


あたしは踊らなきゃいけないのに…。


「明日は幸い取材だけだ。 それが終わったら労ってやる。」


そっか、明日は取材だけなんだ…。
ってことは踊らなくても大丈夫だから…。

とりあえず、明日は安静にしていられるんだね。


ヤバい、安心したら眠気が…。


「お前は何も…」


汰一が何か言ってたけど、あたしはそれを聞き終える前に、意識を手放した。