「汰一っ…。」

『泣くな、後で話は聞いてやっから。』

「うんっ…。」

『住所とか教えろ。』

「えっと…。」


住所を教えて、電話を切ると、芳さんがため息を溢した。


「そんなに泣かなくてもいいでしょ。」

「うん…。」

「逆に俺が傷付いちゃうなー。」

「ゴメン…。」

「…冗談。」

「もう…。」


そう膨れるあたしに、芳さんは封筒を差し出した。


「これ…。」

「写真とネガ。 もういらないからね。」

「芳さん…!!」

「はいはい、分かったから涙拭く。」

「うんっ。」


差し出されたティッシュを受け取って涙を拭き、笑顔を作る。


「…やっぱり、虹姫ちゃんは笑顔の方が可愛いよ。」