「んーっ…あれ…ここ…。」


目を覚ますと、汰一の車の中だった。


「起きたか。」

「うん…。」

「着替えとかどうする? もう寮に戻るけど。」

「着替える…。」


まだ駐車場にいたものの、外はまだ明るいし、着替えないとマズそう。

近くの公園の公衆トイレに寄ると、急いで着替えた。


「着替えてきた…早く帰ろう。」


と声をかけながら車に乗り込む。


「分かったから、カツラ被れっ。」


と言ってあたしの頭にカツラを乗せる汰一。


「うっ……んー…。」


カツラを直しながら椅子に寄りかかる。


まさかこの時……見られていたなんて……思いもせずに…。