「虹姫、男になって♪」


小林 虹姫(コバヤシ コウキ)、高1。
目の前にいる母は…素晴らしい。


「…性転換しろと??」


目の前にいる母は肘掛けつきのイスに偉そうに座っている。

いや、偉いんだけどさ。


「んなわけないでしょお~!?」

「じゃあ何なのよッ!!!」


あたしの母は社長である。

ちなみに今や世界に馳せる芸能人を抱える芸能事務所の社長だ。


そんな母の名前は小林 朱音(コバヤシ アヤネ)。

今や50近い…。
正確な年齢は謎。


「あたしね、虹姫に…男アイドルやって欲しいんだぁ♪」


ニコッと笑う母。
あたしもニコッと笑う。


「意味不明☆」


男としてアイドルって…バカでしょ。