《短編》想い人〜叶わぬ想い〜

ゆっくりとあたしの隣に座った。

大通りから離れた場所にあるこの店の外はとても静かで、あたしのドキドキが聞こえちゃいそうだった。


「大丈夫?水貰ってこようか?」


こんなに気遣いが嬉しくって、でも辛かったことは今までなかった。


「ありがとうございます。でも大丈夫です。」


笑顔を彼に向けた。今あたしが出来る精一杯の笑顔を。


そして返ってきた彼の笑顔にまたあたしの心が大きく音を立てた。


駄目ってわかっているのに、止めることが出来なかった。