甘辛恋愛物語



“きっとこの人、良い人だ”


私の頭の中には
弓道のことではなく
あの男の顔しかなかった。


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「準備ができたら入ってください」


部長らしき人が言った。




すると、ハカマを着た
2・3年生の人が道場に
ゆっくり入ってきた。


5人入ってきて………あと1人



6人目は、あの男が
入ってきた。

みんな、自分の位置について
ゆっくり矢を射っていった。

私は、あの男にしか
目がいかなかった。