ほら、今日だって
一緒に帰ってるのに何も会話はない。

あたしは時々話しかけようとするんだけど
恭からは“話しかけるな”って
オーラが出てて、
付き合う前よりももっと
冷たくなったなって感じ。

あたしはそんなことを思いながら
固く口を結んで恭のとなりを歩いてた。




~恭side~

あいつが何かおかしい。
今だって何か考えながら暗い顔して
俺のとなりを歩いてるんだ。


あいつが告ってきたときは、
おどりきのあまり
好きって言いそびれたけど、
俺はあいつが好きだ。

たぶん俺のほうが先に好きになった。
いや、絶対。

だからいつか必ず好きって言ってやるから
それまであと少し待ってろ。






きずくと、もう家の前に来ていた。
やっぱり今日も何も話せなかった、、

もともと無口なのは知ってたけど、
ここまで会話がないと
さすがにショックだなあ。


まあ、また明日がんばろう!
そう心の中でつぶやいていると、
恭はもういなかった。

バイバイくらい言ってくれたって
いいと思うんだけどなあ。

「ただいまぁ」

そういって家の中に入ると
なんだか家がやけに静かだ。