後から、そいつの名前はキサラギアイ、1年の頃からいじめにあっていると聞いた。

「あー…そんな昔のこと…別にいいけど…」

むしろキサラギのことを知っていたら拾わなかった。

絶対にかかわりたくなかった。

しかしオレのそんな想いとは裏腹にキサラギは笑顔だった。

驚くほど無邪気に微笑んだ。

分厚い眼鏡の奥、うるんだ大きな瞳がまっすぐにオレを見た。