彼女は、一番端の席に控えめに座っていた。

漆黒の髪。

病的なほどに白い肌。

妖艶な赤い唇。

隠しきれない美しさが彼女にはあった。

一目惚れだった。


うぬぼれかもしれないが、彼女もオレを見た瞬間、オレと同じ思いだったのではないかと感じた。


ヒトミはみんなの会話には積極的には交わらず、ただ話を聞いて微笑んでいた。


オレは話しかけるチャンスを狙ったが、情けないことに目を合わせる事もできなかった。



お開きになってもオレはヒトミの連絡先も聞けなかった。