そのあと、俺はその人陰が見えるベンチに 一歩づつ近づいた。 人が斑にいる飲み屋街を、ブーツをカツカツ言わせながら 近づくにつれ、その黒い陰の正体がだんだんと分かった。 ―女の子かな? 髪が長いから… 近づくと彼女の声で女の子と分かり それに、彼女の声で泣いてることが分かった。 だから、俺は迷わず声をかけた。 だって、俺は泣いている人をほっとけない性分だから