俺は誰かが隣の隣の店の近くの、暗いベンチに誰かがいるのが見えていた。 普通は気付かないのに、気付いてしまった。 いつもなら、酔っ払ってるから気にしないのに なぜか、頭がその事から離れずにいた。 それに、足がそっちに向いて動こうとしていた。 「先行ってて、ちょっと忘れ物したから」 なので、みんなにそう言って俺はみんなを見送った。 「おう、いつもの店な」 楓はそう言うと、ファンの女の子に挟まれながら ケンさんたちの後を追って、二次会の場所に向かって行った。