「あっ、忘れてたし
覚えててくれて、ありがとな」





俺は少し照れ笑いでCDを受けとると、お墓の隣にあるケースにしまった。





「このケースなんなの?」





結菜は不思議そうに、俺の後ろからケースを覗いた。




「そっか、普通のお墓にはないんだよな
これは、俺らが作ったんだよね。
色々とメッセージをコイツに送れるようにってね」





俺はケースを軽く叩きながら、そう言うと





「そうなんだ〜だから、手紙がたくさん入ってるんだね」





と凄く頷いている結菜は、納得しているようだった。





「まぁ、俺が作った初めてのLOVE SONGなんだけど
一応、聞いてみてくれない?」





俺はお墓に向かってそう言うと、少し昔を思い出していた。





「それじゃあ、俺ら帰るな」




俺は缶チュウハイをお墓にそえて、立ち上がると結菜と手を繋ぎ出口に向かった。