目的の場所に着くと、俺の左手にある花を花瓶にさした。





「……、前に約束したじゃん?
彼女ができたから一番はじめに紹介するって」





俺は線香に火をつけ、それをお墓へ置きながらそう言った。





「それでさ、彼女がやっとできたんだよね
お前に言わなきゃなって思ったから、わざわざ来てやったよ」





そして、俺と結菜は手を合わせ目を閉じた。





「名前は、結菜って言うんだ」




しばらくして、俺は結菜の肩に手を置いたあとそう言った。




「まぁ、そんな訳で
俺は幸せにやってるんだけど
お前の方は…」





と言いかけると、強い風が俺たちを包み通り過ぎて行った。





俺は勝手にそれが返事かと思い




質問の途中で返事なんて、アイツらしいなと少し微笑んだ。





「ねぇ雪、あれ渡さないの?」





結菜が俺の袖を引っ張たあと、そう言うと





鞄から1枚のCDを取り出し、俺に渡した。