涙が少し止まってきた私は、
なぜか沙希に電話していた。




一人でいると嫌だったし、沙希なら力になってくれると思ったから





「あっ、沙希?」





「なにその声?泣いてるんでしょ
なんかあったの?」





沙希は私の声で、私が泣いているのだとすぐに気づき




真剣な口調で、私にそう言った。





―やっぱり、沙希には隠しごとできないな…





「うんとね、雪さんに振られちゃいました〜」




私は元気じゃないんだけど、
元気な声で沙希にそう言った。




それに、沙希には見えないんだけど私は笑顔だった。