今さらだけど、気づいたっていうか





もっと前に、絶対に気づいてたな





その時は、「まだいいや」とか
「ふられたら嫌だな」とか考えて
いつのまにか、逃げてたけど





ちゃんとその時に、「好き」
って伝えとけばよかったって後悔してる





―なんで、人って失ってから気づくんだよっ





なんて思いながらも、頭の中には
結菜との楽しい思い出も流れていた。





そして、人の目なんか気にせずに
俺は全力で、走っていた。





でも、辺りを走ってもドコにも結菜の姿はなく





―ハァ〜…ハァ〜…





と、俺の息が切れる音と





―ドクンッドクンッ…





と結菜を思う時とは全く違う、
マジで走ったために、悲鳴をあげる心臓の音だけが





俺の身体の中で、虚しく響いていた…