「もうっ


聞くから、揺らすのやめてよ」





しばらくして、私の粘りに負けて





希はそう言って、さっきから読んでいた雑誌を閉じて




私を椅子に座ればと、隣の椅子を引いてくれた。




私はそれに甘えて、すぐに椅子に腰を下ろし





「じゃあ、話すね」





と話しを始めようとすると





「待った」





と沙希は手で私の口を押さえ、私の言葉を止めて





「ノロケ話しなら、デコピンね」





と言ったので、私は話せなくなってしまった。






―だって、ノロケみたいな話しでしょ?






     多分…