まず、なんで僕が幽霊なんか見えるのか。
理由は僕自身でもわからない。
ただ、僕は小さい頃から病弱で、しょっちゅう入院していた。病院という場と縁が深くなってしまったことも一つの理由としてあるかもしれない。
幽霊、と聞くと、大抵の人は怖がる。でも、実を言うと、幽霊ってテレビにでてくるような悪いやつばかりじゃない。道を普通に歩いてるし、僕が霊感があるのが分かるのか知らないけど、陽気に手を振ってくるやつもいる。
いろんなやつがいるってこと。今生きている人間と同じだ。だって、彼らも前まで普通に生きていたんだから。

「あんな泣き目で行かれちゃあ、僕が悪いやつみたいじゃねーかよ。」

お断りした彼女が消えていった方向を見つめながら、僕はぽつりと呟いた。
告白した後、きっとあの子も友達のところに行って、結果を報告するのだろう。友達は、その子を哀れに思い、僕をなじるのだろう。
・・・ああ、女って面倒くさい。