「辞めないでいい。」 浜松のその言葉に、男の顔が上がった。 「えっ…」 「誰だってそういう時はある。俺だって昔…自分を見失って刃物に頼ろうとしたことがある。そんな時…前の総長が俺を叱って止めてくれた。」 「…」 「今回は…笹塚との喧嘩で回りを見てなくてお前を止められなかった。その責任も俺はある。すまなかった。」 浜松が男に頭を下げる。 男は浜松のその行動に焦っていた。