浜松が立とうとすると、魔狂の中の一人が肩を貸した。


「仁さん…俺卑怯なマネしてすみませんでした…」


浜松に肩を貸したのは恭賀を刃物で刺そうとした奴だった。

「俺どうしても勝ちたかったんです…。」

「…」


浜松は黙って話を聞いた。


「穐田に負けると思った瞬間…いつの間にか刃物を持って…」


「…」


「本当にすみませんでした!責任をとって魔狂を辞めます!」


男は浜松に向かって頭を下げる。


「…」


「…」


二人の間に沈黙が走る。


沈黙を破ったのは浜松だった。