Black Queen【1】




「こいつ…加那に変な嘘つきやがって」

奏が要じゃなく加那の名前を出してきたから焦った。

「ちょ!?加那じゃなくて要でしょ」

急いで奏に明希には聞こえないように言った。


「あ、つい」


たく…焦ったぁー…


「痛いやんけ!ぼけ!」


明希が頭を押さえながら奏に怒鳴る。


「あ?俺がいつお前の女をとった?だいたい付き合ってもねぇし、勝手にあっちが俺に惚れてきただけだろうが」


「…」


奏の言葉で明希が黙りだす。

あまりにも明希が可哀想なので慰める。

「明希…お前ならもっといい女が見つかるぜ?そんな浮気女忘れてしまえよ」


私がそう言うと「せやんな!!ありがとう要!」


機嫌治るのはや!!


明希の切り替えの速さに少し驚きながらも笑顔で「あぁ」と言った。