Black Queen【1】




「吉川 奏とは離れたほうがえぇで」


明希の言葉に少し手がピクッと動いた。


「なんでだ?」

自分でもびっくりするほど低い声がでた。


私の声に少しビビりながら明希は答える。

「…あいつは最低な男や!」


「奏が最低?」


「あぁ…あいつは俺の彼女を…奪いやがった最低な野郎だ!」


「…」


奏が明希の彼女を奪った!?


私が驚いていると明希の後ろに見覚えがある人が「何嘘ついてんだよ!!」と明希をどついた。



「か、奏!!!」


そう明希をどついたのは奏だった。